前もっておことわりしておきたいのですが、これはいわゆる「自殺予防」の話とは違います。調査を進めるうち、この町の人たちは自殺予防のことなど考えたことがないのだと気づかされました。人と人とのかかわりの中で生じる息苦しさを極力減らし、思考の柔軟性、こころの弾力性を育むために、この町の人たちは何をしてきたのか。4年にわたる調査結果をご報告し、皆さんと共に考える機会にさせていただければ嬉しいです。

• つながっているが、縛られない
• ダイバーシティ、そんな横文字は知らずとも
• やり直しのきく人生
• 「病は市に出せ」損得勘定で、三方よし
• 人間の業と性を知る人たちの、脱力系標準設定

著書に、「生き心地の良い町―この自殺率の低さには理由(わけ)がある」（講談社）
第一回日本社会精神医学会優秀論文賞 受賞、第五回藤田利治賞（精神保健統計部門）受賞